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- 2024年06月05日
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地域とともに成長を目指す<愛媛流ワーケーション>とは!?
皆さんは「ワーケーション」という言葉をご存知だろうか。
Work(ワーク)+Vacation(バケーション)を組み合わせた造語で、テレワークなどを活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしながら自分の時間も過ごすという、最近話題の働き方だ。
愛媛県で実施されているのは、地域課題解決や人材育成を目的とした「企業合宿型ワーケーション」。
参加企業には、地域課題の解決にも関わってもらう。
都会の企業が、これまで培った知恵や知識を生かして地域の方々にプレゼンテーション。
課題解決を体験することで、参加者のスキルアップを狙った成長型ワーケーションだ。
愛媛県では参加企業の希望をきめ細かくヒアリングし、どんなテーマなら関心をもってワーケーションに取り組んでもらえるか、どんな場所だったら参加者にとっていい経験ができるかなどを考慮し、参加企業のニーズに合った「愛媛流ワーケーション」を提案する。
過去には、楽天グループ、西松建設、リコーなどが参加。地域課題に関わる体験を通じ、社員同士のコミュニケーションを深めながら、個々のスキルアップを図った事例も。
今回、「愛媛流ワーケーション」に参加するのは、東京・銀座に本社を構える「ネットイヤーグループ」。
デジタルを活用したマーケティング活動のコンサルティングや、コンテンツの企画制作など、企業の戦略的、効果的なデジタル活用を支援している。
“自社のノウハウを新たなビジネスチャンスにつなげられないか”との思いから、社員の人材育成も兼ね、愛媛・南予地域でのワーケーションを実施することに。
愛媛県がいくつかの地域課題を提案したところ、「ネットイヤーグループ」とマッチングしたのは、水産業が盛んな宇和島市。
果たして、「ネットイヤーグループ」の皆さんは、今回のワーケーションでどのようなことに気付き、何を考え、どんな解決策を提案するのだろうか。
松山空港から約2時間。400年前から受け継がれ、日本の農村百景にも選定される段々畑が壮麗な宇和島市遊子(ゆす)地区。
まず「ネットイヤーグループ」の皆さんが訪れたのは、この土地で水産業を営む「スリーラインズ」。
「スリーラインズ」は家族経営で、国内でも珍しいスジアオノリの養殖を行っている。ここで生産されているスジアオノリは、食用の中で最も香の高い品種といわれる最高級の青のりだ。
青のりの養殖を始めた意外な理由を、「スリーラインズ」山内満子代表はこう語る。
「元々は鯛の養殖をしていて、真鯛を作っていました。子どもたちが“真鯛養殖を継ぐのだろうな”と思っていましたが、“僕たちは真鯛養殖を継がない”と言われてしまったんです。そこで長男が、“あわび養殖に興味がある”と言うので現地を見に行ったところ、そこの入り口にこの子(スジアオノリ)がいました」
「スリーラインズ」は、大学教授の意見を仰ぎながら試行錯誤の末、クリーンな地下海水を汲み上げ、スジアオノリを育てるこの養殖場を完成させた。
山内さんいわく、「白ごはんにかけて食べるのが一番美味しい」とのことで、「ネットイヤーグループ」の皆さんも実食。
「スジアオノリは、お好み焼き用として買ったものの、そのまま冷蔵庫で忘れ去られ、廃棄になる確率が高いそうなんです。それが悲しくて、考えたのがこれでした」(山内さん)。
そんな山内さんは、「スリーラインズ」の思いをこう語る。
「ここの地域も、だんだん人口が減ってるんですよ。
遊子地区だけでも1000人いたのが700人を切ろうとしています。そんな中、地元のものをどうやって活用していくのか…。
海や山など、活用できるものがたくさんあるにもかかわらず、地元の人には宝物に見えていない。
今後こういうものをどう活用していったらいいかというのが課題です」。
今回訪れた宇和島市を含む南予地域は、2060年の推計人口が2020年の人口の約3分の1まで減少。
その他、全戸数の約18.2%に上るという空き家問題や、少子化により使われなくなった校舎の利活用問題、過疎地域の交通手段存続のための沿線地域活性化方策、耕作放棄地の増加による鳥獣被害の問題など、解決が困難な課題を多く抱えている。
果たして、「ネットイヤーグループ」の皆さんは、「スリーラインズ」が抱える「地域の衰退をなんとかしたい」との思いに、どのような提案をするのか。その内容は、動画後半部分で紹介している。
「愛媛流ワーケーション」には、愛媛ならではの自然を満喫するプログラムも。アクティビティを共にすることで、チームビルディングを高めることができる。
また、美しく穏やかなリアス海岸の宇和海には、豊富な魚種を誇る絶好の釣りスポットが。釣り方や場所、タイミングなどを話し合うことで、チームビルディングにつながる効果も期待されている。
続いて、「ネットイヤーグループ」の皆さんが訪れたのは、「スリーラインズ」のある遊子地区のお隣、宇和島市蒋淵(こもぶち)地区。
ここでも、養殖に適した恵まれた環境があるにもかかわらず、少子高齢化の影響で、担い手の確保が大きな課題となっている。
人口350人ほどの小さな漁村に、愛媛県ならではの水産物を養殖する企業がある。
宇和島市には、海岸線が変化に富むリアス海岸があり、全国でも屈指の養殖場として知られている。
入り江には沖からの波が届きにくいため、荒れることは少なく、養殖に適した環境。
蒋淵地区は、人工的につくった運河があるため、海水が回流し、きれいな環境が保たれる漁場なのだ。
ここで、蒋淵の特産品である真鯛や岩牡蠣を養殖し、加工販売しているのが「こもねっと」。
「今回紹介するのは養殖なんですが、地域の特性、海流や水温などを生かして、自分たちなりに工夫しておいしい魚や岩牡蠣を育てたりしています。
我々の商品としては、一夜干しがメインなんですよ」(「こもねっと」清家さん)。
天然の岩牡蠣を採ってきて人工採卵、採苗、孵化させるなどゼロからスタートし、3年かけて養殖しているという。
天然の岩牡蠣よりも身のつまった濃厚な味わいが特徴だ。
「こもねっと」では、刺身でも食べられる新鮮な鯛を一夜干しにしている。
まず、鯛のいらない部分をカットしていく。
これを一晩かけ、5度の低温で乾燥させることで旨味の詰まった美味しい一夜干しになる。
天日干しも試したが、養殖魚は脂がのっているため脂焼けしてしまい、見た目が悪くなってしまう。
そのため、乾燥機での一夜干しにこだわっているそう。
清家さんは、「こもねっと」の思いをこう語る。
「この地区をなんとか元気にしたいという思いでやっています。関係人口を増やそうということで、蒋淵を応援したい人たちとどうやってつながっていこうか考えてきましたが、20年経っても答えが見つからない。それが私たちの一番の課題」。
地域を元気にしたい…そのためには、地域を応援してもらえる多くの人とつながっていきたい。しかし、自分たちだけの取組みには限界がある。
「愛媛流ワーケーション」を通じて、「ネットイヤーグループ」の皆さんは、これらの熱い思いにどんな解決策を提案するのか。
また、課題と向き合うことで、彼らがどんな成長を遂げたのか…。続きはぜひ、動画でご覧ください。